第一回 伊東市へ移住

2020年12月に、五十四歳にして東京から静岡県伊東市に移住した。ハワイ、マレーシア、福岡糸島、軽井沢、静岡用宗、熱海と色々と検討した結果だ。同時期、コロナ禍でリモート勤務が浸透したのも後押しとなった。現在、自身のコンサル会社を含め六社にてCOOや取締役を務めているが、全ての会社でリモート勤務が可能で、東京に行くことは二週間に一度ぐらいだろうか。生産性が下がるのではと思われるかもしれないが、下がるどころか、通勤の時間、ストレスからも解放され、伊東の素晴らしい海を見ながら仕事をしていると生産性も上がっている。時には、仕事を早く切り上げて温泉に行くこともできる。まさに新しい働き方を率先しているが、この環境に感謝している。その伊東であるが、海、川、高原、山、温泉と全部揃っており、かなり気に入っているこの環境下で東京から転出している人が増えていると聞く。とは言っても、友人や親兄弟にはすぐ会える距離がいい。伊東は、品川駅から熱海駅での乗り継ぎがいいとわずか1時間強。さらに、七万人弱の人口がおり、生活をする上での環境、例えば、学校、病院、飲食店、スーパー、家電量販店、ホームセンターなども全て揃っている。アマゾンは基幹倉庫が近隣の小田原にあるため、伊東への配送スピードも速く生活物資面で困ることはない。一方、住民の方々に聞くと、子供たちが高校を卒業したあとの就職や進学先がなくて出て行ってしまう問題も他地方都市と同様にあるようだ。昨年、移住後初めての夏を過ごした。コロナ禍、観光客は少なかったが、それでも開放感あふれるビーチに人々の笑顔が溢れているのを見ると幸せな気持ちになった。落ち着いたら、微力ながら街のさらなる経済活性化のお手伝いをしたいと思っている。
Kenhoshi&Company代表
オイシックス COO 他