日経電子版にDX パネルディスカッションの内容が掲載されました。

 

https://ps.nikkei.com/sharoshiforum2104/

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デジタル強靭化時代の人事労務戦略フォーラム

〜デジタル活用がもたらすHRの効率化と高生産性化〜

変化に追いつけ

主催:
全国社会保険労務士会連合会
共催:
日本経済新聞社
後援:
厚生労働省
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部

企業がデジタル化と働き方改革を推進し有効に機能させるには、新しい環境に対応した適切な人事労務管理の仕組みが不可欠だ。3月23日に全国社会保険労務士会連合会がオンラインで開催した「デジタル強靭(きょうじん)化時代の人事労務戦略フォーラム」には、様々な立場で活躍する有識者が登壇。企業と働く人を取り巻く環境の変化に追いつき、これからの進むべき道を探るため、それぞれの知見を共有した。

開会挨拶

社労士として力発揮

大野実氏
全国社会保険労務士会連合会
会長
大野 実

日本は生産年齢人口が増えていく人口ボーナス期を経て、減少していく人口オーナス期に入った。政府は「一億総活躍社会」を掲げ、働き方改革などを推進している。

世界では第4次産業革命が加速。IT(情報技術)、IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)などが社会を変えつつある。デジタル化の波はあらゆる産業に影響を及ぼし、これまでの延長線上の取り組みでは企業の成長を見通せない時代になった。

社会経済環境の変化を受け、従来の価値観や生活様式は見直しが迫られ、これまでの当たり前が変わりつつある。社会保険労務士は人事労務管理や社会保険の専門家として力を発揮し、これからの働き方改革やデジタル化を支援していく。

来賓挨拶

新しい働き方へ支援を

田村憲久氏
厚生労働大臣
田村 憲久

社会保険労務士の皆様には働き方改革の推進や年金相談の実施など、国民の課題解決に尽力いただいている。コロナ禍への対応では、労働局などでの相談支援や独自の労働相談ダイヤルの設置を通じ、雇用調整助成金の円滑な申請・支給に貢献いただいており、心より感謝したい。

コロナ禍は人々の働き方、暮らし方に大きな影響を与えている。政府としてもテレワークや時差通勤を推進してきた。行政手続きのデジタル化にも取り組み、申請手続きのオンライン化や利便性向上に努めている。今後も電子申請の利用普及を加速していく。

テレワークなど新しい働き方の広がりやデジタル化に伴う情報管理の在り方、申請手続き方法の変更など様々な変化の中で、企業の労務管理や社会保険の専門家であり、制度・実務の両面に精通した社会保険労務士の役割はますます大きくなる。今後も専門的見地から働く人が安心して生き生きと活躍できる職場づくりを支援してほしい。

来賓挨拶

日本の未来切り拓く

平井卓也氏
デジタル改革担当大臣
平井 卓也

コロナ禍はデジタルの活用において、日本がいかに遅れているかを痛感させた。デジタル化により国の未来を切り拓かねばならない。「デジタル庁」の創設をはじめとした一連の施策は、そのための取り組みといえる。

デジタル社会では、自分が自分であることを証明する本人確認の手段が重要になる。その意味で、マイナンバーカードはデジタル社会のパスポートだ。社会保険労務士などの国家資格の情報をマイナンバーに関連付けることで、様々な手続きが簡単にできるようになる。

人口減少・超高齢社会の中で、デジタルの力を使い、持続的に成長できるモデルの構築が求められている。その際に大切なことは「誰一人取り残さない、人に優しい社会」をいかにつくるかという視点だ。そうした望ましいデジタル社会を実現するには、人に寄り添う社会保険労務士の力が必要になる。あるべき未来を共に想像しながら、そこから逆算して改革を進めていきたい。

基調講演

つながりが価値生む

柳川範之氏
東京大学大学院経済学研究科・経済学部
教授
柳川 範之

コロナ禍を契機に社会のデジタル化は一気に加速した。それは単なるIT化ではなく、ビジネスモデルや産業構造を基盤から変える動きだ。

例えばIoTのインパクトは大きい。これまで得られなかったデータを収集・分析することで、今までにない価値を生み出す。しかし、それは1社で抱え込んでいても成果は期待しにくい。新たなチャンスやイノベーションは、企業・業界の垣根を越えて人と人がつながるところから生まれてくる。

デジタルの力は新しい人の動きや人材移動を可能にしつつある。リモートワークは時間と場所に縛られない働き方が可能であることを証明した。細切れの時間にも作業ができ、兼業・副業も現実的になった。地域や国をまたぐ仕事もできるし、少人数で大きな事業も動かせる。

働き方の変化はライフスタイルの見直しにもつながる。都市から地方への人材移動が活発になり、日本全体の構造を変えるきっかけになる。

デジタルが可能にする自由で多様な働き方を企業の活力に結び付けるには、適切な人事労務管理の仕組みづくりや働く人が充実感を得られる職場環境の実現が不可欠だ。人手不足の時代に優秀な人材を確保するためにも、専門家の支援を受けながら取り組みを進めてほしい。

閉会挨拶

社会的使命果たす

石倉正仁氏
全国社会保険労務士会連合会 副会長/
デジタル化推進特別委員会 委員長
石倉 正仁

社会保険労務士は医師などと同様、マイナンバーカードで身分を証明できるようになる見込みだ。事業の健全な発達や労働者福祉の向上を支援する、社会保険労務士の使命の大きさを改めて感じた。

本日のフォーラムは「デジタル活用がもたらすHRの効率化と高生産性化」を副題に掲げた。どの職場でも、人材の獲得、動機付け、育成、定着は不可避の命題であり、成果を上げる人材戦略の策定が求められる。人と人を結ぶデジタルを活用しながら、人に寄り添い、大切にする職場環境をいかに実現するかが鍵だ。企業と働く人の豊かな未来のために、社会保険労務士は使命を果たしていく。

※本フォーラムは日経チャンネルでアーカイブ配信中です

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