2018年、10年勤めたアマゾンを退社し、独立した。経営コンサルティング、講演会、コラム執筆などをおこなっているが、ミッションは“日本の会社を元気にする”、ビジョンは“永続的な繁栄に必要なメカニズムの設定と、全員がリーダーとして行動する組織になるようサポートする”である。いい商品やサービスを持っていても、それを安定的に提供する仕組み、より多くのお客様に届ける仕組み、コストを削減する仕組み、ありとあらゆるプロセスに仕組みがないと成長しないことをアマゾンで経験した。サービスを属人的に提供するのではなく自動化などの仕組みを確立することによりミスを無くし継続性のあるものにしていく。1980年代、製造業などを中心に日本企業が世界を席巻していたのは改善サイクルなどの仕組みがしっかりしていたからだ。しかし、その後ITサービス革命においては大きく遅れをとった。1989年の世界の企業時価総額トップ50に日本企業は29社もあったのに現在ゼロだ。この数年で必要性が高まったデータの利活用やデジタルトランスフォーメーションなどはアマゾンではすでに20年前から行われている。日本企業はこのような企業と戦っていかなければならないのだ。サービスを使用する立場になるのか、プラットフォーマーとなって使用してもらう立場になるのかは大きな違いだ。今後は、SDGs、グリーン施策などにおいて、新たなビジネスチャンスが生まれてくる。革新的なアイデアを仕組み化するチャンスは日本企業にも残っている。アマゾンの成長を支えている仕組みについて、内部から主観的に分析した拙書「amazonの絶対思考」にまとめたので、静岡県のビジネスに携わる方々には是非、ご一読いただければ嬉しい。
Kenhoshi&Company代表
オイシックス COO 他